林業という仕事について
森林は、木材を生産するだけではなく、豊かな水を貯えたり、山崩れなどの自然災害を防いだり、野生動物の生息場所となったり、あるいは二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を防ぐ上でも大きな役割を果たしています。
これらの森林の役割は、多面的機能(公益的機能)と呼ばれ、私たちが生活する上でとても大切です。この多面的機能を高度に発揮するためには、森林を適切に管理し、維持し続ける必要があります。
林業は、このような森林の機能を維持するために、森林を守り育てながら、木材を生産するとても大切な仕事です。
「親が植え、子が育て、孫が伐る」という言葉を聞いたことはありますか?それぞれの世代が山や森林を管理し、次の世代へ引き継いでいく。林業は、親子三世代100年にわたるとても壮大で魅力的なプロジェクトです。
群馬県の森林の公益的機能
二酸化炭素を吸収する
木の葉や草が太陽の光を受けて光合成を行い、二酸化炭素を吸収し酸素を作り出します。
生きもののすみか
森林には木や草だけでなく、いろいろな種類の鳥や動物、昆虫、微生物など多くの生きものが暮らしています。
災害を防ぐ
土の中に張り巡らされた根が、土や石をしっかりとつかんでいるので、少しくらいの雨では崩れません。
水を育む
森林の土は、ふかふかのスポンジのようになっています。降った雨を貯めて、少しずつ川に流します。
憩いの場を提供する
森林浴、ハイキングなどのレクリエーションの場を提供するなど、人々の生活に安らぎを与え、心の緊張を和らげます。
県内森林の公益的機能の評価額(年間)
項目(機能)
県内森林の評価額
水源涵養
4,775億円
土砂流出防止
4,742億円
土砂崩壊防止
1,417億円
保健休養
378億円
野生鳥獣保護
(参考表記)
大気保全(二酸化炭素吸収)
208億円
化石燃料代替
39億円
合計
1兆1,559億円
※平成13年 日本学術会議答申「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」に基づき、全国の評価額を群馬県の森林面積で按分して算出
立木の収穫作業(収入間伐、主伐)
木材として利用が可能な大きさまで成長した立木は、伐採し山から搬出し、原木市場や製材工場へ運びます。
伐採作業
立木(りゅうぼく)を切り倒す作業です。主にチェーンソーを使用します。地形条件が良い場所では、機械による伐採作業も可能です。
木寄作業
林地内に散在している伐倒木を作業しやすい場所まで集める作業です。機械やウィンチによって木を集めます。
造材作業
伐倒した木の枝と梢を切り落とし、決められた長さの丸太を作る作業です。玉切り作業とも言います。
集材/運材作業
造材された丸太を集め、大型トラックに積込みが可能な場所(土場)まで運ぶ作業です。丸太を掴む専用のアームが付いた運材車をフォワーダと言います。
はい積作業
土場まで運ばれた材を、大型トラックに積み込むために、一時的に集積する作業です。材の長さ、太さや曲がりの有無により分けて選別します。